東京五輪延期で“公約”を守る皮肉…開催中止ならどうなる?
世界が対応と成り行きを注目している。
10日、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会に、1年延期された東京五輪のコスト削減と計画の簡素化を報告し、合意を得た。組織委員会の森会長は「コロナで世界中が大混乱し、多くの犠牲者も出ている。今までのような華美、豪華なことが多くの人の共感を得られるだろうか」と語ったが、いまさら何だ。
思い出してほしいのは、「コンパクト五輪」というキャッチフレーズだ。東京五輪は選手村を中心とした半径8キロ圏内に85%の競技会場を配置し、費用も抑えたコンパクトな五輪が一つの売りだった。ところが、招致段階では7300億円だった大会経費は2兆円超まで膨らみ、「コンパクト」なる言葉はいつしか消えてしまった。
東京五輪の招致が決まった2013年9月のIOC総会で安倍首相は、福島原発事故の問題を「完全にコントロールされている。汚染水は0・3平方キロ内でブロックされている」と説明。立候補ファイルには「この時期の(東京の)天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とあるが、すべて嘘である。