東京五輪日本代表に「ワクチン差別」選手間分断の可能性も
ワクチンで新たな問題が起こるかもしれない。
■6月中に2回接種
日本オリンピック委員会(JOC)は、五輪代表選手らを対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種を6月1日以降にスタートすることで調整を始めた。17日に国内競技団体(NF)に対して説明を行い、接種希望人数などの回答を求めた。全国では接種の予約が取れずに困惑する高齢者が多い。五輪代表や監督、コーチらは、国際オリンピック委員会(IOC)から無償提供されるワクチンを予約も順番待ちもなく、6月中に2回打てる。
ある競技団体の関係者がこう語る。
■「ワクチンを打つぐらいなら東京五輪を欠場した方がまし」
「五輪には選手以外に、約9万人ともいわれる関係者が海外からやって来る。各国の事情などから、1万人を超える選手も含めて全員がワクチンを打って来日するとは限らない。ジャマイカの陸上選手だったか、『ワクチンを打つぐらいなら東京五輪を欠場した方がまし』と言う者もいますから。一方で国内でも、陸上の新谷(仁美=女子1万メートル代表)のように、副反応が怖くて打ちたくないという選手は少なくない。ワクチン接種をしないからといって名前が公表されることはないだろう。とはいえ、競技団体ごとに接種することになるので、選手たちは、誰が打った、打たないかはわかる。接種しなかった選手を白い目で見たり、差別的な言動をとる者が出ないとも限らない」
この関係者は「接種は強制ではないものの、団体競技の場合はNFが『一緒に行動するので全員がワクチンを打て』と指示するかもしれません」と言うのだが、個人競技では選手間に「分断」が生じることも考えられる。