阪神・近本は目下、打率3割キープだが…スロースターターへの贅沢な不満
この贅沢な不満を構成する要素は、単に3割を達成できないもどかしさだけではない。昨年の場合、シーズン序盤の不振がどうしても悔やまれる。昨年の近本の打撃成績は序盤が打率2割を切るほどの絶不調だったにもかかわらず、中盤以降に打ちまくったおかげで、最終的には打率3割目前まで肉薄。要するに序盤の絶不調さえなければ余裕で3割を超えていたという、この「たられば話」がより悔しさを増幅させるわけだ。
そして、今季もしかりである。近本のスロースターターぶりは2年連続で顔を出し、今年も春先は絶不調。あれがなければ、今ごろ首位打者争いをしていてもおかしくないくらい、5月以降は打ちまくっているにもかかわらず、トータルではやっと3割を超えた程度である。もどかしい。
しかし、幸いなのは今季のセ・リーグの打率ランキングが全体的に低調であるということだ。現在、打率トップのオースティン(DeNA)ですら.318。よって、近本は.307ながら打率ランキングの第4位につけており、トップともわずか1分1厘差である。
そう考えると、同僚の青柳晃洋の投手タイトルも気になるが、近本の首位打者も楽しみでならない。また、盗塁についても近本は現在リーグ2位(20盗塁)で、3年連続盗塁王を狙える位置にいる。しかも22盗塁でトップを走っているのも、阪神のルーキー・中野拓夢なのだから、本当に贅沢だ。