羽生結弦や高梨沙羅には同情するのに…北京五輪で高まる「反中感情」
日本人選手を襲った悲劇についても、怒りの矛先は中国に向かう。もともとフィギュアスケートの羽生結弦選手は韓国でも“花美男”として注目され関心の高さは尋常ではないが、ショートプログラムでのジャンプミスの原因が氷上の穴と知るやいなや、ネット上には同情の声が寄せられた。すでにショートトラックでも派手に転倒する選手の姿が散見されており、韓国では今大会の氷の質の悪さが指摘されていた。ある韓国人女性は「悪いのは中国の設備だ!」と羽生を擁護。自国の選手の話かと、こっちが勘違いしてしまいそうなほどの同情っぷりだった。
スキージャンプ混合団体で高梨沙羅選手がスーツの規定違反で失格になったことには韓国でも疑問の声が上がり、平昌大会から続くスピードスケートの小平奈緒選手と李相花(イ・サンファ)の友情には「中国選手も見習え」といったコメントが寄せられている。
最近は「目を開けていても鼻は北京」という表現をネットでよく目にするようになった。韓国では「目を開けていても鼻を切り取られる」ということわざがあり、“油断がならない世の中”という意味だそうだが、切るという韓国語が「ベイダ」で、「目を開けていても鼻は北京(Beijing)」と皮肉られているのだ。
かつて韓国が敵意をむき出しにする対象は日本で、激しい反日デモが繰り広げられたこともあったが、北京五輪に対しては昨年の東京五輪とは比べものにならないほどの手厳しさである。