東京五輪“キーマン”逮捕!特捜部が次に狙う「消えた1.5億円」と裏金解明、政財界は戦々恐々

公開日: 更新日:

 東京五輪パラリンピックの汚職事件をキッカケに、政財界にも捜査の手が及ぶのか。大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者が受託収賄容疑で逮捕された事件は、新たな事件の「入り口」の可能性がある。特捜部が次に狙うのは、高橋容疑者が受け取ったカネの行方だ。

 ◇  ◇  ◇

 高橋容疑者は2017年1月、紳士服大手AOKIホールディングス側に東京五輪のスポンサーになることを打診。同年9月、自身が代表を務めるコンサルティング会社「コモンズ」とAOKIがコンサル契約を締結した。

 AOKI側から、スポンサー契約や公式ライセンス商品の審査に関し、有利な取り計らいを依頼(請託)された高橋容疑者は、17年10月から今年3月の五十数回にわたり、計5100万円を受領。受託収賄の疑いを持たれている。

 高橋容疑者はAOKIからの資金提供について「五輪とは別のコンサル料だ」として容疑を否認しているが、起訴される可能性は高い。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士がこう言う。

「特捜部は先月末、高橋容疑者の自宅や関係先として古巣の電通本社を家宅捜索した後、AOKI側も家宅捜索しました。ガサ入れの順番を考えると、AOKIは証拠隠滅の可能性が低かったのでしょう。高橋容疑者を刑罰の重い受託収賄で逮捕したのは、恐らくAOKI側の協力を得て、具体的な依頼内容を示す資料や文書などの証拠が固まったからだと思います。逆に、供述のみの証拠をもって受託収賄容疑で逮捕・起訴するのは難しい。それなりの証拠は集まっているはずなので、起訴されると考えて、ほぼ間違いないでしょう」

 特捜部は、コンサル料名目の「5100万円のワイロ」とは別に、高橋容疑者がAOKIから「選手強化費」として受け取った2億5000万円の行方にも着目しているという。むしろ、この「選手強化費」が捜査の“本丸”との見方もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」