東京五輪“キーマン”逮捕!特捜部が次に狙う「消えた1.5億円」と裏金解明、政財界は戦々恐々
東京五輪・パラリンピックの汚職事件をキッカケに、政財界にも捜査の手が及ぶのか。大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者が受託収賄容疑で逮捕された事件は、新たな事件の「入り口」の可能性がある。特捜部が次に狙うのは、高橋容疑者が受け取ったカネの行方だ。
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高橋容疑者は2017年1月、紳士服大手AOKIホールディングス側に東京五輪のスポンサーになることを打診。同年9月、自身が代表を務めるコンサルティング会社「コモンズ」とAOKIがコンサル契約を締結した。
AOKI側から、スポンサー契約や公式ライセンス商品の審査に関し、有利な取り計らいを依頼(請託)された高橋容疑者は、17年10月から今年3月の五十数回にわたり、計5100万円を受領。受託収賄の疑いを持たれている。
高橋容疑者はAOKIからの資金提供について「五輪とは別のコンサル料だ」として容疑を否認しているが、起訴される可能性は高い。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士がこう言う。
「特捜部は先月末、高橋容疑者の自宅や関係先として古巣の電通本社を家宅捜索した後、AOKI側も家宅捜索しました。ガサ入れの順番を考えると、AOKIは証拠隠滅の可能性が低かったのでしょう。高橋容疑者を刑罰の重い受託収賄で逮捕したのは、恐らくAOKI側の協力を得て、具体的な依頼内容を示す資料や文書などの証拠が固まったからだと思います。逆に、供述のみの証拠をもって受託収賄容疑で逮捕・起訴するのは難しい。それなりの証拠は集まっているはずなので、起訴されると考えて、ほぼ間違いないでしょう」
特捜部は、コンサル料名目の「5100万円のワイロ」とは別に、高橋容疑者がAOKIから「選手強化費」として受け取った2億5000万円の行方にも着目しているという。むしろ、この「選手強化費」が捜査の“本丸”との見方もある。