民間人初の宇宙飛行士・秋山豊寛さん 原発事故の難を逃れ2度目の「仙人暮らし」
秋山さんは宇宙飛行士になるため、ソ連の基地で語学を含め1年2カ月にわたり訓練。体重が75キロから60キロに落ちるほどハードなメニューをこなした。同行者1人とペアで12日間、100億円以上の費用がかかる前澤氏の宇宙旅行を、どう見るのか?
「率直に言って、あれは格差社会の象徴ですね」
日本社会の歪みに危機感は強い。取材後、自宅前の80坪の畑へ。
「大根は間引きしながら食べ始めていて、芽キャベツやホウレンソウ、里芋もそろそろです。1月にはカブ、2月からキャベツ……」
天敵は猿やイノシシ、鹿。柵と網で防いでいるが、完璧とは言い難い。
200メートルほど離れた場所に大きな柿の木。陽光に赤い実が輝いていた。
「まだ渋いんです。もう少し寒くなると甘くなり、そうしたらあっという間に鳥や猿が食べてしまいますよ」
晴耕雨読。自然の営みとともに生きる。
(取材・文=高鍬真之)