来年早々にも発売 日本初「肥満症治療薬」の利点難点
ちなみにこの女性は薬を飲んだ1年間は、とくに食事も変えず、運動もしていなかったという。それだけ薬の効き目が凄いということだ。
■問題は排便時の便器がベトベトに
問題は脂肪便だ。この薬は体に吸収されなかった脂肪を便として流すため、排便時に便器がベトベトになるという。
「最初は少し驚かれると思います。脂肪が便器にこびりつくからです。ただし、慣れれば薬の力を実感できるため、他の薬のように飲み忘れは少なくなるでしょう。また、女性は便秘が多いのですが、便が脂肪でコーティングされる感じで、スルリと出て便秘が解消されるメリットもあります」(辛院長)
これまで肥満の解消を目的とした薬としてはマジンドール(商品名サノレックス)があるが、こちらは脳に作用して食欲を抑制する薬。BMI35以上の高肥満の人が対象だ。脂質の代謝を上げることで肥満症を改善する薬はあっても、セチリスタットのように、肥満症の治療薬は他にない。
肥満は中高年の大きな悩みであり、太った人の減量はあらゆる健康の基本。それだけに大いに期待されていいはずだが、発売にはストップがかかっているという。