来年早々にも発売 日本初「肥満症治療薬」の利点難点
「既に9月に厚生労働省の製造販売承認を受けており、11月の中央社会保険医療協議会(中医協)で薬価が決まり、年内の発売が予定されていたのです。ところが、その中医協で“体重100キロの人なら2キロしか減らないじゃないか”“肥満は病気じゃない。保険で賄う必要はない”などの異論が噴出、価格が決まらなかったのです」(厚労省関係者)
<食欲に負けて勝手に太ったくせに、税金で補助された薬で治すというのはおかしい>との気持ちはわからなくはないが、それなら病院の減量のための食事指導、運動指導はどうなのか? そちらも保険適用を取り消すべきじゃないのか? そんな疑問も出てくる。
「私は体重の減少率が大きくないからといって効果がないとは思いません。この薬で痩せる効果が大きいのは内臓脂肪型の肥満です。その体重減少は糖尿病や脂質異常症に限らず、あらゆる面で健康に貢献すると考えられるからです。例えば、膝痛や腰痛の改善も期待できます。なにより、痩せにくい中高年が痩せられれば、それが励みになって食事療法や運動療法に努めると思われるからです」(別の糖尿病専門医)
痩せたくても痩せられない中高年の気持ちを酌んで欲しいところだが……。