皮膚にピリピリ痛みと発疹 「帯状疱疹」患者は夏に増える
なぜか。冬場は同じ水痘・帯状疱疹ウイルスで発症する水痘患者が多い。一度水痘にかかった人は新たな水痘患者に接することで、再度免疫が刺激され、免疫が強化される。免疫のブースター効果だ。
「これが帯状疱疹の患者さんが冬に少なく夏に多くなる理由のひとつです。また、2014年に水痘ワクチンが定期接種になって冬場の水痘患者数が激減。免疫のブースター効果が失われたぶん、夏場の帯状疱疹の患者増に拍車がかかります。東京五輪に向け、患者の急増を心配しています」
帯状疱疹は最初にピリピリする皮膚の痛みが表れ、1週間後くらいに赤い発疹ができる。その2~3日後に水ぶくれになる。症状は体の片側の目の上、胸、お腹、背中など、知覚神経に沿って表れる。
■HIVやがんの前兆の場合も
「この病気が厄介なのは、発疹前の痛みの段階では片頭痛や肋間神経痛などと間違えやすいこと。患者さんによっては痛みがなかったり、軽い場合もある。放置してしまうケースも多いのです」
実際、水ぶくれとなった発疹はその後1週間ほどでカサブタになり、さらに1週間も経つと剥がれ落ちる。放っておいても自然に治る人もいる。