カテーテルを痛む場所まで移動し微細血管もろとも神経を消失させる
奥野祐次院長/オクノクリニック(神奈川県横浜市)
血管にカテーテル(軟らかい細いチューブ)を挿入して治療する“カテーテル治療”といえば、脳心血管疾患でよく使われている。しかし、同院が行う「運動器カテーテル治療」は、肩、腰、膝、股関節などの関節痛や帯状疱疹後神経痛などの慢性的な痛みを改善させる新しい治療法。画期的なのは「痛みと血管の関係」に着目している点だ。開発者の奥野祐次院長(顔写真)が言う。
「関節痛など炎症のある部位には、微細な血管が異常に増えていることが知られています。その新生血管には神経も一緒に対になって増えています。通常、炎症が治まれば新生血管も神経も消えてしまいます。しかし、慢性痛の部位では消えずに残り、それが痛みの原因になっているのです」
従来、関節痛などはレントゲンで組織の異常を調べてきた。しかし、血管はレントゲンの画像には映らない。そのため、造影剤検査でないと分からないモヤモヤと増殖した微細血管の存在(異常)が、これまで見逃されていたのだ。
寝ていたり、じっとしていても痛い関節痛、階段の上り下りや立ち上がったときの膝や腰の痛み、エプロンを結ぶときの肩の痛みなどは、モヤモヤ血管が原因になっていることが多いという。