人生が大きく変化したつらい経験で脳の老化が加速する?
対人関係や家族との死別、金銭的なトラブルなど、人生におけるつらい経験は、健康状態に何らかの影響を与えるようです。寝つきが悪くなったり、食欲が低下したりと、単なるストレスでは済まされないことも多いはずです。
「人生におけるつらい経験と脳年齢の関連」を検討した研究論文が、老化と神経細胞学の専門誌の電子版に2018年3月8日付で掲載されました。
この研究では、359人の男性(平均62歳)が対象となり、「離婚」「配偶者の死亡」「子供の死亡」「親友の死亡」「収入の大幅な減額」「突然の解雇」「深刻な病気の発症」など人生が大きく変化したようなつらい経験と、認知機能や社会・経済的状況などが調査されています。
被験者はまた、MRI検査(脳の状態を知るための検査)を受け、得られた脳の画像は特殊な解析ソフトにより分析されました。脳年齢はコンピューターソフトによって計算され、つらい経験との関連性が検討されています。なお、脳の老化に影響を与えうるアルコールの摂取状況や、心臓病のリスク、社会・経済的状況、人種などを考慮し、統計的に補正を行って解析しています。