風疹で危ないのは予防接種を受けていない30~50代の男性
そして、発症したら当然、発疹などの症状が消えるまで会社を休むことが重要。妊婦の夫や子づくりを考えている夫婦は、抗体検査で免疫を確認したほうがいいという。抗体検査は自治体の助成対象になっている。MRワクチンの接種は自費で1回1万円ほどだ。
では、国内の風疹ゼロは可能なのか。
「集団免疫閾値といって、人口の85~90%が免疫をもつことが排除の目標です。ゼロにはできないが散発例ですみます。いま30~50代男性の免疫保有率は80%を切る。ですから多くの中年男性に風疹排除の意識を高くもってもらいたいのです」
企業の中には社員のワクチン接種費用を負担する会社もある。社会全体で取り組むべき課題だ。
▽1977年横浜市立大学医学部卒。米国メイヨークリニック、横浜市立大学医学部産婦人科学講座教授、横浜市立大学付属病院病院長を経て、16年から現職。〈所属学会〉日本産婦人科学会、日本産婦人科医会、日本先天異常学会など。