坂本昌也
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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

体重は減ったのに悪玉コレステロールが上昇した原因は?

公開日: 更新日:

 糖尿病治療のために外来に通っている患者さんで、「体重は減少し、血糖値やヘモグロビンA1cは下がった。しかし、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が上がった」という場合、真っ先に疑うのは、糖質制限です。

 これらの患者さんに聞くと、7割くらいの方が「糖質制限をしている」と答えます。彼らのほとんどは、糖質を“ほどよく摂取する”という意味での「制限」ではなく、「ある一定の期間、食べない。糖質をカットする」という、徹底したやり方を実践されている方が多いです。

 糖質を取らないようにすると、短期間で驚くほど体重が落ちます。

 効率よくダイエットしたい人には、うってつけの方法だと思われるでしょう。

 ところが、糖質カットを長く続けることは、大部分の人にとって非常に困難です。

 糖質制限で痩せたけど、その後、普通の食事に戻した。すると一気に痩せる前の体重に戻ってしまった、という人が大半です。

 いえ、体重が元通りになるだけなら、まだいいのかもしれません。糖質は、タンパク質と同様に筋肉を作るのに不可欠な栄養素。ボディービルダーなど美しい筋肉をつけることを目的にトレーニングをしている人は、必ず糖質を食事で取り入れているほどです。糖質制限で糖質をカットしたために筋肉量が減ってしまい、体重は元通りでも、体脂肪率は上がってしまう。つまり、糖質制限を始める前よりも“太って”しまうケースがほとんどなのです。最近では体重の増減は寿命に悪影響があるという報告も多くなされています。

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