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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

体重は減ったのに悪玉コレステロールが上昇した原因は?

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「私は糖質制限をずっと続けられる」という人もいるかもしれません。それでも、私は過度な糖質制限には反対です。長期的に見て糖質制限が体に良いという報告より、むしろ、その逆が多いからです。

 米国で行われた糖質制限に関する複数の研究をまとめた結果によると、45~64歳の成人を25年間追跡調査したところ、糖質の摂取の割合50~55%が最も長生き、40%未満で死亡率1・2倍、70%超で1・23倍というものでした。糖質は少なすぎても駄目、多すぎても駄目、ほどほどに取らなければならないということ。別の研究で、糖質制限が心臓病を増やすという結果も出ています。

 糖質を制限すると、如実に悪玉コレステロールの数値が上がる方がいる。遺伝的な体質を含め、さまざまな議論はありますが、糖質の代わりにおかずの量が増えている場合、味付けをした料理を食べる量が増えている。結果として、塩分摂取が増えている。または、動物性の脂質やタンパク質が過剰摂取につながっている方も多いのです。

 糖尿病に関する血糖値やヘモグロビンA1cの数値が下がっていても、悪玉コレステロールの上昇のみならず、血圧、中性脂肪、高尿酸血症などほかの生活習慣病のリスクが上がることもあります。近年ではSGLT2阻害薬といった心臓や腎臓への好影響を示した薬などが多く使用されています。この場合にも過度の糖質制限は避けなければならないのです。

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