著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

樹木の多い生活環境は健康に良い?米医師会誌に研究論文が

公開日: 更新日:

 緑地の多い環境で生活をすることは、なんとなく健康に良いイメージがあります。居住地近隣の緑地環境と健康状態の関連性を検討した研究論文が、米国医師会誌が発行するオープンアクセスジャーナルの電子版に2019年7月26日付で掲載されました。

 この研究では、オーストラリアに在住の4万6786人(平均61・0歳)が対象となっています。被験者に対して、心理的な苦痛を感じているかどうか、医師によるうつ病や不安症の診断があるかどうか、自身の健康状態について調査を行い、居住地から半径1・6キロに占める緑地面積の割合(%)との関連性が評価されました。緑地は樹木、草地、その他の緑地の3種類に分類されています。また、研究結果に影響を与えうる、年齢、性別、経済状況、教育水準などの因子について、統計的に補正を行い解析しています。

 平均で6・2年にわたる追跡調査の結果、樹木の占める割合が0~9%の環境に居住している人と比較して、30%以上の環境に居住している人では、心理的苦痛を訴える人が31%、自身の健康状態が悪いと評価した人が33%、統計学的にも有意に低下しました。なお、うつ病や不安症の診断を受けた人については緑地環境との関連性を認めませんでした。また草地やその他の緑地環境と健康状態にも関連性を認めませんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」