新進気鋭ゲノム学者語る 人間からネコやトラに感染した意味

公開日: 更新日:

 気になるのはネコにうつった新型コロナウイルスが再び人間に感染するのか、だ。

「可能性としては否定できません。実際に武漢のネコを調査した結果、新型コロナウイルスに感染していたことがわかりました。また、新型コロナウイルスの感染実験の結果、ネコやフェレットは、イヌ、ブタ、ニワトリ、カモなどよりも、新型コロナウイルスに感染しやすく、またネコからネコへは、新型コロナウイルスが空気感染によって感染を広げる可能性も示唆されています」

 その一方、ネコは集団行動しないため、ネコ同士で感染が急速に広がる可能性は人間より低いと考えられ、ネコが、再び新型コロナウイルスが動きだすための待機場になるとも考えにくい。

 とはいえ、人間のインフルエンザウイルスの受容体と鳥インフルエンザの受容体を併せ持つブタが体内で遺伝子再集合させて人間に感染する鳥インフルエンザをつくったように、ネコの体内で変異した新型コロナウイルスを生み出す可能性はないのか?

「可能性はゼロとは言えません。実際、ネコの致死性が高いネコ伝染性腹膜炎ウイルスは、イヌコロナウイルスとネココロナウイルスの組み換えによって生じたことが示唆されています。しかし、ウイルスの突然変異や組み換えは、ほとんどの場合はウイルスの病原性は変化しない。もしくは、わずかに下げる方向に働く場合が多いです。そのため、ウイルスの新しい変異株が見つかった、新しい組み換えが見つかった、というニュースについては、そこまで神経質になる必要はないと思います。一方で、まれにそうではない場合もありますので、今後も更に研究を続ける必要があると考えます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「餅」で尿意ストップ! 映画の途中にトイレで席を立ちたくないなら

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 4

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 7

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 8

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  4. 9

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  5. 10

    イケイケ国民民主党に陰り? 埼玉・和光市議補選は玉木代表が応援も公認候補まさかの敗北