歯周病と虫歯には「カビ」ケアが大切…目指すは残歯20本
歯垢は歯周病にも関係している。時間と共に成熟し、歯垢内に酸素が少なくなると、酸素を嫌う嫌気性菌が多くなる。この嫌気性菌は歯肉を攻撃して炎症が起き歯周病が発症し、口臭の原因にもなる。
「歯と歯の間の食べかすを除去するための歯間ブラシやフロス、歯垢を機械的に取り除く歯磨き、歯垢が口腔内のカルシウムと結びついてできる歯石の歯科医院での除去、などの重要性を歯科医師が強調するのは、これらが虫歯や歯周病の予防につながるからです。それはひいては全身の健康に関係しているのです」
ところが、「歯垢についての重要な問題が一般の人に認識されていない」と木村院長は言う。それは真菌の問題だ。
「口腔内には細菌と共にさまざまな真菌=カビが生息しています。問題は、カビが多い口腔内の歯垢は病原性の強い嫌気性菌の割合が増えるのと、ネバネバして歯磨きをしても取りにくい歯垢になること。対してカビが少ないとふわふわした清掃しやすい歯垢になる傾向にある。つまり、口の中のカビを少なくできれば、虫歯や歯周病の原因となる歯垢を変えることができるのです」