自民裏金議員16人が次期衆院選で“討ち死に”濃厚 処分対象「500万円以上」で丸川珠代氏もピンチ【リスト付き】
ただでは済まなそうだ。
派閥裏金事件を巡り、自民党は1日、安倍・二階両派の議員39人の処分について党紀委員会に審査を要請。政治資金収支報告書への不記載額が過去5年間で500万円以上だった議員を対象とした。正式処分は4日にも決まる見込みだ。
執行部は安倍派の幹部に対する処分はより厳しくする方針。最も重い処分は8段階のうち2番目の「離党勧告」とし、その他の議員については派閥での役割や裏金額を踏まえて、「党員資格停止」や「選挙における非公認」、「戒告」などの処分を検討している。
国民からすれば、10万円だろうが100万円だろうが裏金に変わりはない。裏金額が500万円未満の議員がおとがめなしなど納得いかないが、議員にとっては処分されるか否かは死活問題。「6月解散」が囁かれる中、処分で「裏金議員」の“悪名”が決定的になれば、次期衆院選で当選が危うくなるからだ。
処分対象から公認候補予定者である支部長1人を除いた38人の現職のうち、次期衆院選で“討ち死に”濃厚な議員を本紙が調べたところ、16人いた(別表)。前回2021年衆院選で敗北したか、野党票を合計すると1万票以下の僅差となった議員らだ。
中でも、厳しいと目されているのは、区割り変更に伴い設置される新東京7区に鞍替えする丸川珠代元五輪相(参院東京選挙区)だ。裏金額は822万円だった。
丸川氏については、裏金の大きさもさることながら、先月末に告発されたことが手痛い。神戸学院大の上脇博之教授と郷原信郎弁護士が28日、安倍派から丸川氏へのキックバックは「個人への寄付」だとして、政治資金規正法違反容疑の告発状を東京地検に送付。上脇教授らは、丸川氏が2月の会見で「(キックバックを)自分の口座で管理していた」と説明したことを問題視している。規正法は、政治家個人への寄付を禁じているからだ。