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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

鳥谷引退はひとつの時代の終焉…2000年代の阪神黄金期は遠くなった

公開日: 更新日:

 今思うと、投打ともに強固な柱が何本もあったのだから、そりゃあ強かったはずである。今季は残念ながら優勝を逃した阪神であるが、主力選手を見比べてみると現行戦力は00年代の黄金期よりはるかに劣る。そう考えると、今季の2位は残念というより、上出来だったのかもしれない。

 それにしても、00年代の阪神黄金時代も遠くなったものだ。この感覚は96年に中西清起と木戸克彦が同時引退したとき、つまり85年の日本一の主力全員が現役を退いたときに近い。時は昭和から平成に移り、チーム状況も暗黒時代の真っただ中だったためか、あのときは無性に切なくて、昭和を遠く感じたものだ。

 今は昭和どころか平成も終わり、新たに令和の時代に突入しているのだから、月日の流れは本当に早い。バース・掛布雅之岡田彰布に象徴される昭和晩期の阪神日本一から、90年代の長く苦しい平成暗黒時代を乗り越えて、その後にようやく訪れた00年代の平成黄金時代も、鳥谷引退によって完全に白黒の思い出となった感がある。

 来年は早くも令和4年、2022年だ。平成暗黒時代の象徴だった、新庄剛志がまさかの日本ハム監督に就任するなど、時代は恐ろしいほどのスピードで進展している。暗黒期も黄金期もあった平成の阪神も、ずいぶん遠くなったものだ。

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