阪神の絶対的守護神スアレスが退団…“葵の紋所”を失ったチームと矢野監督の不安
オリックスとの日本シリーズでも2度の救援失敗をすぐにチャンスを与えることで取り返させ、最後は2回3分の1を託すという凄まじい起用で日本一を引き寄せた。来季のマクガフは恐らく、今季以上に絶対的な存在になる。高津監督は驚くべき度量と胆力で、守護神をつくり上げたのだ。
翻って、矢野監督はどうか。何十年にひとりと言っていい新人の佐藤輝明を使い切れず、4番でスタートした大山悠輔のことも信用し切れなかった。逸材・藤浪晋太郎はどうしたのか。先発だ、リリーフだ、敗戦処理だと役割をコロコロしているうちに、結局、今年も戦力にし損なった。高卒3年目で14勝を挙げた2015年以降、苦しいシーズンが続いている。もう6年だ。能力の高さは誰もが認めているのだから、使う方に原因を求めざるを得ない。
巨人にも言えることだが、とっかえひっかえしていては、選手は育たない。いずれにしろ、抑え投手を失った阪神の来季は厳しい。チーム再建に向け、矢野監督には相当な覚悟が必要だと思う。