聖地ウィンブルドンがロシアとベラルーシ選手の出場を禁止…ボイコットは起こるか
テニスの4大大会の第2戦、全仏オープンが始まっている(本戦は22日から)。それにしても時代の流れは実に激しい。
1月の全豪では、ナンバーワンのジョコビッチがワクチン接種を拒んだことから国外退去になった。コロナ蔓延(まんえん)はいまだ収まっていないが、もはや全仏、それに続くウィンブルドンもワクチン接種の有無など問わないという。いまや問題はロシアのウクライナ侵攻──冷戦崩壊後にスポーツが謳歌(おうか)してきたきれいごとは雲散霧消し、選手の集中力も限界にきている。
■反プーチンの誓約書
当面の課題はウィンブルドンだ。聖地だとあがめられるテニスの頂点が、ロシアとベラルーシ出身選手の出場を認めない決定を下した。
ジョンソン政権下、英国スポーツ相はかねて出場選手に「反プーチン」の誓約書を求めるよう、大会に圧力をかけていた。
ロシアには世界ランク2位のメドベージェフを筆頭に複数の有力選手がおり、その活躍がプーチン政権の宣伝工作に利用されるとの臆測がある。大会側が一気に出場禁止まで踏み切ったのは、誓約書では選手の家族にまで危害が及ぶことを配慮したのだろう。苦渋の選択にしろ明らかな政治的介入で、男子ツアーのATPも女子のWTAも強く反発している。