メジャーでは名物だった「セプテンバーコールアップ」でスターダムにのし上がった選手たち
デービッド・プライスも08年9月に「セプテンバーコールアップ」でメジャーに呼ばれるとリリーフで好投したため、ポストシーズンでは多目的に使う遊軍リリーバーとして起用された。宿敵レッドソックスとの対戦となったリーグ優勝決定シリーズでは3試合に登板してヒットを一本も許さない圧巻のピッチングを見せ、プロ初勝利と初セーブを記録した。
■オールドルーキーが呼ばれることも
「セプテンバーコールアップ」で昇格するのは有望株に限らない。ごくまれにではあるが、マイナーで塩漬け状態になっていたオールドルーキーが呼ばれることもある。04年9月、最下位に沈むマリナーズは長いマイナー暮らしで30歳になっていた内野手のミッキー・ロペスをメジャーに呼んで短期間、代打や守備固めで使った。これは3Aでリーダーシップを発揮していたロペスに対するご褒美という色合いの濃い昇格人事だった。これでロペスは諦めかけていたメジャーリーガーになるという夢を最後の最後でかなえただけでなく、62歳から死ぬまでMLBの費用で医療保険に加入できる権利も手にしている。
米国では医療費がバカ高いので、質の高い医療保険に老いてからタダで加入できることは経済的に恵まれないロペスにとって大きな福音になるはずだ。