「病気じゃない」が蔓延…便秘を今度こそきちんと治す

公開日: 更新日:

 種々の検査なしで、前出の酸化マグネシウムや刺激性下剤を処方する医師も珍しくない。

「いずれにしろ、便秘の説明はなく、患者さんは便秘によるつらさを抱えたまま。医師の対応に不満を感じ、自己流で対処するようになる。市販の便秘薬の多くは、耐性、習慣性、依存性が生じやすく、量が増え、自力排便が困難になるのです」

■日本は特異な治療状況

 一方、欧米をはじめ海外では対応が違う。便秘によるつらさを解消するための食事指導や適切な投薬治療が行われ、すぐに大腸内視鏡検査などは行わない(大腸がんのリスクが高い年代は例外)。便秘やそれに関連した症状を無視し、放置するなんて論外だという。

「海外ではエビデンスレベルの高い慢性便秘治療薬も多数認可されているので、症状に応じてはそれらを用います」

 慢性便秘の治療薬は「運動促進」「選択的セロトニン受容体刺激薬」「分泌型」の3タイプに分かれ、多種類ある。しかし、日本で現在、承認されているのは分泌型の2種類だけ。このうち1種類は3月に承認されたばかりの新薬だが、海外ではすでに30カ国で承認されている。しかも、日本では現在のところ、便秘のうち「過敏性腸症候群の便秘型に該当するもの」が対象だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”