予備群だって危ない…高血糖を放置するとがんを招く

公開日: 更新日:

 国立がん研究センターの研究では、HbA1c値6・0~6・4%の予備群は、すべてのがんで1・28倍リスクが上昇すると報告されている。また、国立国際医療研究センターによると、糖尿病の手前の高インスリン血症の人は、そうでない人より2倍もがん死亡率が高いという。

■「インスリン抵抗性」と「AGE」がリスクを上げる

 なぜ高血糖の人が、がんにかかりやすくなるのかについては、はっきりしたことは分かっていないが、いくつか報告がある。糖尿病専門医で「しんクリニック院長」の辛浩基氏は言う。

「糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなる病気です。インスリンは血液中のブドウ糖の代謝を促す働きがありますが、糖尿病になるとその働きが弱まる『インスリン抵抗性』という状態になります。糖の代謝で使われないインスリンが血液中にたくさん残ってしまうのです。インスリンには細胞を増殖させる働きもあり、残っているインスリンが多くなると細胞の増殖も促進されます。その分、増殖の過程で細胞の“コピーミス”が起こる可能性が高くなるのです。がん細胞は正常な細胞のコピーミスが繰り返されることで出来ていきます。インスリン抵抗性によってがんが発症するリスクが高まってしまうのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」