貴ノ岩は50回も殴られたというが…頭部を強打で起こる“危ない異変”
■直後はなんでもない場合も要注意
急性硬膜下血腫だった場合、緊急手術で血腫を除去し、出血している箇所を止血する処置が行われる。しかし、どうにか命が助かったとしても、手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残るケースが多いという。
急性の頭部外傷には、ほかに「急性硬膜外血腫」がある。酔っぱらって転倒し、頭を強く打った。その後しばらくはなんともなかったが、帰宅後に意識を失って倒れてしまった――。こんなパターンが典型例だ。
「外部からの衝撃で硬膜の動脈が破れて出血し、頭蓋骨と硬膜の間に血がたまって血腫ができる頭部外傷です。脳の損傷はほとんどありませんが、血腫が増大して脳が圧迫されると、意識障害や麻痺などが起こります。そのまま放置していると、血腫が増大して脳が圧迫されて死に至るので、一刻も早く病院へ連れていくことが重要です」
脳の損傷がなければ、早い段階で血腫を除去し、止血をすれば後遺症は残らない。とにかく早期治療が肝心だ。
また、急性ではなく「慢性硬膜下血腫」にも要注意。頭を強く打った後、とくに異常のない状態が続き、2~3カ月たってから症状が表れる。