低血糖で意識障害だからこそ 低血糖を断固認めない
言うまでもなく、そのとき問題なのは僕の面目などではない。放置すれば最悪、命の保証すらないのだから、とにかく一も二もなく補食すべきなのだ。しかし当の僕は、意識障害を起こしている。今、一番大事なのは何か、それすらわからなくなっている。
言われるまま補食したとしても、「もう十分なはず」と途中でやめてしまうこともあった。それにも一応の理由はある。低血糖に対処しようとして補食すると、反動でその後、極端な高血糖に転じてしまうことがよくある。僕はたぶん、それを警戒していたのだ。
意識障害下の僕は、そのように半端に小ざかしいのがまた手に負えなかったらしい。