汗を多くかいて痩せた気に…夏ダイエット「3つの勘違い」
この傾向に夏特有の食事が拍車をかけるという。
「例えば、夏はソーメンや冷やし中華のような、さっぱりした食べ物だけを食べがちです。“食が細れば自然に痩せるのでは”と思われるかもしれませんが、正しいとはいえません」
こうした食品は栄養が偏る食材であるため、むしろ代謝が低下して痩せにくくなる。しかも、食事量が減って便の量が少なくなると腸の蠕動運動が弱まるため便秘になって、便がたまる。さらに体重が落ちにくくなる。
ビールやアイスコーヒー、ジュースなど冷たい物を頻繁に飲むことで、内臓が冷え、血行が悪くなる。それが「むくみ」や便秘、下痢の原因になったりする。
なかには、夏に寝苦しい日が続いて、起きて活動している時間が長ければ、それだけエネルギー消費が多く、痩せると考える人がいるかもしれない。しかし、これも誤解だ。
「夜は食欲が抑えられるのが正常ですが、睡眠時間が短いとその仕組みが働かずに過食となって太りやすいことが多数報告されています。最近では、睡眠時間が足りないとヒトは太りやすい、甘い食べ物が欲しくなることもわかってきました。睡眠には、急速眼球運動を伴う浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があり、加齢と共にレム睡眠が減っていきます。レム睡眠が減ると、脳のなかの食感などの嗜好を判断する役割のある前頭前皮質の活動が活発となり、ショ糖が豊富な食べ物を取りたくなることが筑波大学の研究チームから報告されています」