肩甲骨<上>ハーバード大客員教授が教えるガチガチ度チェック法
「呼吸するときに働く筋肉の中でも特に重要なのが、肋骨と肋骨の間にある『肋間筋』と、肋骨の下にあるドーム状の筋肉の膜である『横隔膜』です。前かがみの姿勢になると、横隔膜の動きが制限されてしまい呼吸が浅くなるのです。そして横隔膜を使えない浅い呼吸の最大のデメリットは、自律神経をコントロールできなくなることです」
自律神経を自分の意思でコントロールできる唯一の方法が、横隔膜を使った呼吸法(腹式呼吸)。つまり、肩甲骨が硬くなると自力で自律神経を整えることができなくなるため、体の不調を引き起こしやすくなるのだ。
浅い呼吸を調べるチェック法がある。①静かに鼻から息を吐いたあと息を止める。②そのまま息をしたくなるまでの時間を計る。息を止めていられる時間が30秒以上なら呼吸は浅くなっていない。30秒未満なら呼吸が浅く、肩甲骨も硬い可能性がある。
横隔膜の動きをチェックする方法はこうだ。①肋骨の下の骨際に、親指以外の4本の指を食い込ませる。②鼻から息を吐き出す。③お腹に空気を入れるつもりで、鼻からゆっくり息を吸う。④鼻からゆっくり息を吐き出す。息を吸ったときに指が押し上げられ、息を吐いたときに指が食い込むようなら、横隔膜はしっかり動いている。
肩甲骨が硬いことによる血流の悪化、浅い呼吸による自律神経の乱れは、全身に張り巡らされている毛細血管の劣化にもつながるという。次回は、肩甲骨をほぐし横隔膜の動きをよくする「肩甲骨リセット」のやり方を紹介してもらう。