夕暮れ症候群…「自分の家に帰りたい」と言い出した時の対処法
長い人生を楽しみ続けるライフスタイルをつくっていく
今年50歳になる女性がこんなことを言っていました。
「今のスポーツジムに入会したのは、コロナ禍の時。テレワークになって太ったこと、人と話す機会が減ったことがきっかけでした。第2次ベビーブームの生まれなので同い年が何人かいて仲良くなり、20~40代の年下の友人もたくさんできました。仕事を通じて得た友人とはまた違っていて、スタジオを借りて運動したり、飲みに行く時もその前に集まってトレーニングをしたり、川や海、山へ一緒に出かけたりして、アクティブな楽しみ方を知りました。あのタイミングで入会して本当に良かった」
人は何歳になっても新しいことにチャレンジできます。
しかし実際のところ、「この年代だからこそ」「今思えば、あのタイミングだったからこそ」というものも多い。今から、人生100年時代をエンジョイできるライフスタイルを意欲的につくっていってほしい。
私は順天堂大学在籍時代、基本的な趣味は研究でした。退官後は、田舎の病院に籍を移し、ゴルフと釣り三昧をしようかな、とも考えていたのです。しかし、よくよく考えて、その生活は、1週間で飽きるな、と。
自分の趣味だった研究で、ずっと追い続けてきたテーマがアルツハイマー病の早期発見、早期予防であり、当時、世界的な趨勢の中で早期予見、早期予防が可能になりつつありました。研究して論文を書いて終わりではなく、早期予見、早期予防につながる国内外の最新の研究結果を、患者さんにフィードバックしたいと思ったのです。いわば、多くの研究者たちの成果を患者さんに手渡す「最終走者(アンカー)」。
外来で出会う患者さんは、一人一人違う人生を歩んでいます。そんな彼らに寄り添う最終走者としての日々は、研究時代に勝って楽しい。先ほど述べた「人生100年時代をエンジョイできるライフスタイル」が、私にとってはまさに今なのです。
もちろん、患者さんと触れ合うことだけではなく、他にも意欲的にチャレンジしていますよ。麻雀、そば打ち、バラを育てること……。麻雀は、健脳カフェに集う方々とのコミュニケーションツールとしても大活躍です。