日光は“クスリ”…エネルギー工場のミトコンドリアを元気にする
日光はセロトニンの分泌を促進して気分を安定させる。朝起きた時に日光を浴びることで体内時計がリセットされ、サーカディアンリズムが整い、夜に睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がスムーズになって良質な睡眠を得やすくなる、などの効果が期待できる。
しかし、近年とくに注目されているのが、人を構成する60兆個とも言われる細胞のひとつひとつに数百~数千存在する細胞小器官ミトコンドリアへの影響だ。
「ミトコンドリアは糖や脂質を使ってATPと呼ばれるエネルギー物質を作る、いわば細胞のエネルギー工場です。それが元気なことが人間の健康長寿につながります。日光はこのミトコンドリアを元気にさせることが報告されています」
英国・ロンドン大学の研究チームは、太陽光にも含まれる特定周波数の赤色光を人の背中に15分間当てることで血糖値が大幅に低下するとの研究結果を発表している。
研究チームは健康な30人を対象に実験を行った。その結果、670ナノメートルの赤色光がミトコンドリアのエネルギー生産回路を刺激し、グルコースの消費量増大につながることを発見。グルコース摂取後の血糖値を27.7%低下させ、グルコーススパイクを7.5%減少させたという。