2024年のゴールド投資はどうなる? 1年をおさらいし、今後の行方を考える
今後も金は値上がりするのか
「来年は一本調子にはいかない」と言うのが森岡氏の見方だが、長期的には金価格は上昇する傾向にあるとも見ている。
「やはり大きなトレンドではドルの基軸通貨としての地位の低下があります。“最強の通貨”というポジションとしては弱くなってきています。その分、ドルから金へのシフトは進むでしょう。ただ短期的には動きがありそうです」(森岡英樹氏)
というのも、米国で長期金利の引き下げが予想されるからだ。国内のインフレ(物価高)対策のため、FRB(米連邦準備制度理事会)は2023年に金利を引き上げ続けてきた。
しかしインフレも落ち着いてきた。12月13日のFRB会合は3会合連続で金利を据え置いた。来年は3回の金利引き下げもあるとの観測も出ている。金利が下がればドルが売られて円高が進み、ドル建ての金価格は円換算で値下がりする。
さらには日本でも動きがありそうだ。
「来年はいよいよ日本も利上げがあると言われています。日本も金利のない世界から金利のある世界になるでしょう。そうすると金利がつかない金以外の金融商品にも一般投資家たちも目を向けるようになる。ヘッジファンドは金融資産と金のようなコモディティー(商品)資産を組み合わせてファンドを組みますが、金はコモディティーの比率が高かった。それも見直されるかもしれません」(森岡英樹氏)
つまり、短期的には日米金利差の縮小によるドル安・円高により、金商品の価格が下がる可能性があるが、長期的には基軸通貨ドルが弱くなるので金需要は上がる。
これを踏まえた金投資の戦略としては、短期的に値下がりした金を購入し、長期保有するということが考えられる。