地銀を襲う「新NISA・債券安・融資先倒産」の三重苦…73社・グループの純利益6.9%減の衝撃
株高バブルとは無縁ということか──。地方銀行73社・グループの2023年4~12月期決算が13日、出揃った。73社の連結純利益の合計は、8177億円と前年同期比6.9%の減少だった。
地銀の純利益が減少したのは、取引先の倒産リスクに備える費用がかさんだのが一因だ。金融機関の資産運用を支援する「日本資産運用基盤グループ」(東京)によると、取引先の貸し倒れに備える与信関係費用が増えているという。実際、地銀の融資先である中小企業は倒産リスクに直面し始めている。コロナ対策として導入された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済本格化に加え、物価高や人手不足によって経営が苦しくなっているためだ。
また、地方銀行は金利上昇の影響も受け始めている。「異次元の金融緩和」がスタートした後、運用難に苦しんだ地方銀行は、積極的に「債券」を買っていたが、金利上昇によって債券価格が下落し、「国債等関係損益」が悪化。全体で計2978億円の赤字となった。
問題なのは、地方経済と中小企業を支える地銀の収益が悪化すると、日本経済全体に悪影響を及ぼす恐れがあることだ。