“プラザ合意ジンクス”の160円台再びで迫る「1ドル=200円」の夏…秋は狂乱物価が待っている

公開日: 更新日:

 ついに節目を突破した。神経戦が繰り広げられている外為市場で26日、円相場が1ドル=160円台にのせた。38年ぶりの円安水準だ。政府・日銀は再び為替介入に出るのか、出ないのか。マーケットが固唾をのんで見守る中、円安は一気に200円台まで進む可能性がある。足元のインフレもきついのに、秋の狂乱物価への覚悟を迫られそうだ。

 ゴールデンウイークまっただ中の4月29日に一時1ドル=160円24銭まで下落したことから、5月にかけて円買いドル売り介入が実施された。あれからわずか2カ月でその水準を超えてしまった。

 鈴木財務相らの口先介入も全く効果なし。FRB(米連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測が後退し、日米金利差拡大が円売り材料になっているのだから、手の打ちようがない。

 経済評論家の斎藤満氏はこう指摘する。

「介入原資となる外貨準備高は約200兆円ありますが、実際に回せる資金はその1割のおよそ20兆円。前回の介入で月間としては過去最大の約9.8兆円を投じており、手持ちには限りがある。再介入すれば資金は底を突き、それを見透かした投機筋に円を売り浴びせられるリスクがある」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    大阪万博はやっぱり赤字?1日あたりの入場者は初日を超えられず…開幕1カ月のしょっぱすぎる収支報告

  4. 4

    庶民生活に忍び寄る“円安地獄”の足音…トランプ関税に翻弄され再び「1ドル=150円」も視野に

  5. 5

    値上げラッシュの時代になんと値下げ敢行! BYDの「コスパ逆張り戦略」がハンパない

  1. 6

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ

  2. 7

    急増する大手黒字企業リストラのシビアな背景…2024年「早期・希望退職」1万人超え、前年比3倍に

  3. 8

    5月に入り葉物野菜が激安のワケ…1年前は1玉1000円だったキャベツが200円台前半で店頭に

  4. 9

    終わらない「令和の米騒動」…JA全中会長どの口が?「決して価格高いとは思わない」発言大炎上の必然

  5. 10

    大阪万博GW集客伸びず…アテ外れた吉村府知事ゲッソリ?「素晴らしい」と自賛も表情に滲む疲れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「餅」で尿意ストップ! 映画の途中にトイレで席を立ちたくないなら

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 4

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 7

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 8

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  4. 9

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  5. 10

    イケイケ国民民主党に陰り? 埼玉・和光市議補選は玉木代表が応援も公認候補まさかの敗北