著者のコラム一覧
鈴木良平サッカー解説者

1949年6月12日生まれ。東京都世田谷区出身。東海大卒業後の73年、ドイツの名門ボルシアMGにコーチ留学。名将バイスバイラーの薫陶を受け、最上級ライセンスのS級ライセンスを日本人として初取得。84-85年シーズンのドイツ1部ビーレフェルトのヘッドコーチ兼ユース監督。なでしこジャパン初代専任監督。98年福岡ヘッドコーチ。

本田圭佑が発信「コーチライセンス廃止を」は大きな間違い

公開日: 更新日:

 オーストラリア1部メルボルン所属の元日本代表MF本田圭佑(32)が「コーチングライセンスを廃止して新ルールを作るべき。プロ選手は筆記テストだけで取得できるのが理想」というメッセージを発信。本田がカンボジア協会のGMに就任し、実質的な代表監督を務めていることもあって波紋は広がる一方だが、本田の提言には「説得力」はあるのか? 日本人で唯一ドイツサッカー協会(DFB)公認のS級ライセンスを保持し、84―85年シーズンにはドイツ1部ビーレフェルト(現2部)のヘッドコーチ兼ユース監督を務めた鈴木良平氏に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ――ドイツのS級ライセンスを受講するにはドイツ1~3部のコーチ、6部以上の監督を務めるなど条件があります。「良い指導者になるには長い時間が必要」というのがDFBの基本スタンスです。

「まずはカンボジア協会が、本田に実質的な代表監督を任せていること、本田の難しい決断については『素晴らしいチャレンジの成功を祈りたい』と伝えたい。しかしながら――。彼の提言に対しては『指導者の本質をはき違えている』と言わせていただきたい。私自身、S級ライセンスを取得する際にはスポーツ生理学や心理学、栄養学や救急介護法、メディア対応など多くのことを学んだ。さらに監督としてチームをどうまとめるか、対戦相手をどう分析するか、どの選手を起用してチームをどんな方向に導いていくか、などについてもケルン体育大に通いながらじっくりと学んだ。ドイツでも、素晴らしい経歴のプロ選手には大きなリスペクトがある。しかし、選手と指導者の能力は別物である限り、どんなスーパースターだろうが、指導者として必要なものを正しく学び、習得した上で監督業を始めるべき。もちろんS級ライセンスを取得しても、あくまで<スタートラインに立った>だけのこと。ここから大成するには、長くて厳しい道のりが待っている」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋