長野久義が巨人電撃復帰! 原監督が広島構想外の37歳を呼び戻した「真の狙い」

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「次は慎之助以外いない」

 さる球界関係者がこう言う。

「今季は58試合の出場で打率.211、3本塁打、15打点。新井監督が就任した広島では来季の構想から外れたものの、7月の巨人戦で満塁弾を含む2打席連続本塁打を打ち、相手ベンチから見ていた原監督に『長野はまだできる』と思わせたのでしょう。さらに、あの時の東京ドームの歓声がすごかった。長野人気を再確認したのもある。今季、悩みの種だった右の代打要員として期待しているのですが、同じくこの日入団会見に臨んだ元ソフトバンクの39歳・松田、40歳・中島も今のところは残りそうだから、右の代打の必要性は少なくなった。長野には他に大事な役割があるのです」

 この無償トレードは、来季3年契約2年目を迎え、通算17年目の指揮を執る原監督の去就と密接にリンクしているという。

「巨人はこの2年間V逸していて、今季は借金4の4位。クライマックスシリーズにも出られない惨敗を喫したというのに、全権を握る原監督が責任を取らずにズルズルと監督を続けていることに、球団内外から批判の声が挙がっている。来季は勝っても負けても監督の座から降りる可能性が高いとみられています」と前出の関係者が証言する。

 後任は球団幹部が「今のところ、慎之助以外の選択肢はない」と言う阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(43)が最有力候補となっている。巨人のさるチーム関係者がこう言った。

■「気配りの達人」の異名

「親分肌の慎之助は後輩の面倒見はいいんだけど、野球に関しては一切妥協を許さず、厳しい。時に高圧的な物言いになることがあり、選手を萎縮させてしまうこともある。長野は生粋の慎之助派。日本ハムロッテと2度の入団拒否を経てホンダから巨人入りした後は、長年グアム自主トレで面倒を見てもらった恩義がある。付き合いが長いだけに、慎之助の性格、頭の中身を知り尽くしている。タイトルを取っている打撃理論を若手に伝授して欲しいのはもちろん、昭和型の兄貴肌の慎之助に対し、『気配りの達人』の異名がある長野は、若手選手との『緩衝材』になれる。実はこれができる人物が他に見当たらない。『慎之助には長野が必要』というのが球団の一致した考えなのです」

 長野は以前、こんなことを漏らしたことがある。

「引退後? ボクはコーチなんてやるタイプじゃない。話すのは苦手だから、テレビの解説者はもっと向いていない。何かお店でもやろうかな」

 とはいえ、巨人には思惑がある。長野に関して原監督はこの日、「ある種、教育的な立場、目線があってもいいと思う」とも言った。来季は巨人のユニホームを着て引退し、再来年はコーチとして阿部新監督を支えること――。これこそが長野が巨人に呼び戻された本当の役割といえそうである。

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