女子プロは毎年のように米ツアーへ行くのに…男子はなぜ松山英樹を追いかけない?
【BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ】第2日
この日は朝から降り続く雨が午後3時過ぎに激しくなり中断。そのまま日没サスペンデッドとなった。
今大会は4大会ある国内公式戦のひとつで優勝特典はビッグだ。賞金3000万円に副賞は高級外車のBMW X7(1390万円)。その他に5年シードや欧州ツアーのBMWインターナショナルオープン(6月22日開幕)と国内で開催される米ツアーのZOZOチャンピオンシップ(10月)の出場権も獲得できる。
中島啓太(22)や蝉川泰果(22)、金谷拓実(25)ら米ツアーを目指す選手は米国進出の足がかりにしたいところだが、ファンにとって疑問なのは、近年は松山英樹(31)の後を追う若手が一向に出てこないことだろう。今週のメモリアルトーナメントに出場している比嘉一貴(28)は「推薦」によるスポット参戦だ。
女子プロは渋野日向子(24)や古江彩佳(23)のように、人気選手が毎年主戦場を米女子ツアーに移すが、現在男子で米ツアーをメインに戦っているのは松山と小平智(33)の2人だけ。20代の選手はいない。
「それは男女のシステムの違いです」というのは、ゴルフライターの吉川英三郎氏だ。
「女子が来季の出場権を得るにはスポット参戦で優勝するか、最終予選会(Qシリーズ=今年は11月30日開幕)を突破すればいい。Qシリーズは登録締め切り日(同10月10日)時点で世界ランク75位以内なら出場できる。渋野はこの資格で2021年末の予選会を受けて20位に入り、翌年から米女子ツアーで戦っている。男子は12年限りでこのQシリーズがなくなった。今は下部のコーンフェリーツアーに参戦するための最終予選会を通過し(40位以内)、同ツアー終了時のポイントランク上位25人に入らなければ米ツアーに昇格できない。下部ツアーのプレーオフ4試合を経て上位30人に入れば、米ツアーの切符を手にできるが、女子のように一発勝負がないので壁は厚いのです」
吉川氏が続ける。
「しかし、制度が変わり、今年の下部ツアーの最終予選会で5位タイまでの選手は、いきなり米ツアーメンバーになれる。私は米ツアーのQシリーズをなくすことに反対だったが、この制度が事実上の一発勝負になる。国内の若手にはここでの5位以内を目指してほしい。今の若手は300ヤード以上の飛距離を持ち、フィジカルもスイングもしっかりしている。情報もある。米ツアーを主戦場にし、ある程度慣れてくればそこそこ戦えるはずです」
蝉川、中島に期待するファンは多いはずだ。