著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

受精に「PH」の攻防あり 意外に知らない“ガマン汁”の役割

公開日: 更新日:

 酸性とアルカリ性の度合いは「pH(ペーハー)」という単位で表します。pH7を「中性」とし、それ未満を「酸性」、それより高ければ「アルカリ性」としています。

 人の健康な皮膚表面は、pH4.5~6の弱酸性といわれます。これは皮膚表面にいる常在菌が皮脂腺から分泌された皮脂の脂肪酸を分解することで、肌のバリアー機能となる弱酸性の皮脂膜が保たれているのです。

 このpHは、人の受精にも大きく関係しています。健康な人の尿はpH6~6.5前後ですので、尿道も弱酸性になります。しかし、男性の尿道は酸性の環境に弱い「精子」も通ります。そのため射精の前に、尿道を一時的にアルカリ性の環境に変える必要があります。その役割を担っているのが通称「ガマン汁(先走り汁)」です。

 ガマン汁は、尿道の途中にある「尿道球腺」から分泌される弱アルカリ性の液体で、医学的には「尿道球腺液(カウパー腺液)」と呼ばれます。このガマン汁によって尿道がアルカリ性に変化し、さらに精子は弱アルカリ性の精液(pH7.2~8)に守られて出てくるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  2. 2

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  3. 3

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  4. 4

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  5. 5

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    “勝ち組”は中澤、辻、藤本…「モーニング娘。」たちの明暗

  3. 8

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  4. 9

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  5. 10

    悠仁さま「人々の幸せを願い」成年会見で高まる将来への期待…愛子さまの“国民と苦楽を共に”との比較も