鼻毛は抜かない方がいい? 頻繁に抜いていると悪影響があるのか
一般的に「口呼吸」の人が風邪をひきやすいといわれるのは、細菌やウイルスが直接体内に侵入しやすくなるためです。
鼻炎などの症状がある人は口呼吸になりがちなので、「鼻呼吸」を意識し、鼻毛も抜かないようにしましょう。
そのほか、鼻毛を抜くと嗅覚を失うため「嗅神経性嗅覚障害」になるケースもあります。匂いの粒子は鼻毛に絡みつき、鼻腔の奥にある嗅粘膜に届くことで、嗅神経を通って脳へ伝わります。そのため、鼻毛を抜いてしまうと匂いの粒子が嗅粘膜まで届かないことがあり、嗅覚が落ちてしまうので大変心配です。
非常にまれですが「鼻毛を抜いて死亡した」という事例を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。可能性としてはゼロではありません。毛穴に雑菌が入ることで先述した毛嚢炎から、脳脊髄炎などを引き起こせば、最悪、死亡するケースもあります。それはすでに糖尿病などを患っていて、免疫力が落ちている方に当てはまります。
鼻毛の処理は抜くのではなく、鼻の入り口の毛を残して切るのが適切です。
▽松尾有希子(まつお・ゆきこ) 聖マリアンナ医科大学卒業後、聖マリアンナ医科大学付属病院耳鼻咽喉科学教室入局。新小岩すばるクリニック院長、三茶おはな耳鼻科院長を経て、ささづか駅前おはな診療所院長を務める。