どうすれば「自己肯定」できるのか? 自分の記憶も他人の評価もいい加減なもの
「自己肯定感を考える上で、《どうすれば自己を肯定できるのか》と考えることは大切です」
何やら禅問答のようでもあるが、こう説明するのはライフサポートクリニック院長の山下悠毅医師だ。同クリニックは「お薬だけに頼らない治療」を心がけている心療内科でもある。
「自己」とは「自分」とも置き換えられるが、そもそも自分とは一体何なのだろうか?
「自分とは①自分に対する記憶、②他者からの評価で形成されます」と言ってこう続ける。
「人は、自分に対してさまざまな記憶を持っています。どこで生まれて、どんな学校へ通い、〇〇が得意で、××が好きだったといった具合です。そして、この記憶こそが『自分』であると信じています。そのため、嫌な記憶を思い出すと、自分に対する評価も下がってしまいます」
たとえば、「うまくプレゼンができなかった」「人前でうまく話せない」という嫌な記憶がある人は、自分に自信を持ちづらくなるだろう。
「何を覚えていて、何を覚えていないのかは、人によって異なります。人は自分が覚えていることをベースに、『自分は〇〇という存在だ』と信じています」