米大統領選でガラリ…オバマ政権とトランプ政権から考えるイランとの関係 国際情報の専門家が分析

公開日: 更新日:

 アラブの人たちが考えているパレスチナの大義とは、パレスチナ人が安な居住区で暮らせることです。至極真っ当な主張であり、この大義を最も重要視している国がイランです。それを脅かす存在であるイスラエルと、イスラエルを支援するアメリカをイランは許さないという構造が、大前提としてあるわけです。

 驚くことにイランの国家理念には、「イスラエルを滅ぼす」という国是が含まれています。イランからすれば、イスラエルは聖地・エルサレムを奪った悪者であるという考え方です。

 2023年3月、IAEA(国際原子力機関)は、イランの核施設で濃縮度が84%ほどの高濃縮ウランが見つかったと報告しています。イラン側は「意図しない濃縮が起きた可能性がある」と表明していますが、ウランの濃縮度が90%以上になると核兵器への転用が可能とされています。イランが核兵器を作ることのできる状況にある可能性は極めて高いわけですから、当然、イスラエルは危機感を覚えています。イランは、あくまで平和的利用で核を開発していると謳っています。実際、イランにはがん患者が多く、電気も足りていない。がん治療用の放射線治療や原子力発電のために核を開発しているという側面も、確かにあるでしょう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    大阪万博はやっぱり赤字?1日あたりの入場者は初日を超えられず…開幕1カ月のしょっぱすぎる収支報告

  4. 4

    庶民生活に忍び寄る“円安地獄”の足音…トランプ関税に翻弄され再び「1ドル=150円」も視野に

  5. 5

    急増する大手黒字企業リストラのシビアな背景…2024年「早期・希望退職」1万人超え、前年比3倍に

  1. 6

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ

  2. 7

    値上げラッシュの時代になんと値下げ敢行! BYDの「コスパ逆張り戦略」がハンパない

  3. 8

    5月に入り葉物野菜が激安のワケ…1年前は1玉1000円だったキャベツが200円台前半で店頭に

  4. 9

    大阪万博GW集客伸びず…アテ外れた吉村府知事ゲッソリ?「素晴らしい」と自賛も表情に滲む疲れ

  5. 10

    終わらない「令和の米騒動」…JA全中会長どの口が?「決して価格高いとは思わない」発言大炎上の必然

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋