オリンピック開会式は中途半端な出し物ばかり…かつてないほどつまらなかった
個人的に感動したのは、天皇陛下がおひとりで読み上げられた開会の宣言だ。簡潔な内容だっただけに、お言葉の裏に、いまも開催に反対されているお気持ちが感じられた。
逆に橋本組織委会長とバッハIOC会長の言い訳じみたあいさつの長かったこと! 小池都知事があいさつしなかったのと、安倍前総理が欠席したのは、はっきり言ってひきょうだ。主催者は日本国ではなく東京都であり、その長たる小池知事が、まずあいさつすべきだ。安倍さんは今回のオリンピックを東京に招致した張本人である。リオでマリオの扮装までしておいて、批判の矢面に立ちたくないというのか。いかなる批判も甘んじて受け、関係者の盾となるのが本当のリーダーだろう。
経済団体やスポンサー企業のトップの姿がないのも、かつてない光景だった。ドイツのメルケル首相ら各国首脳も欠席ばかりで、アメリカもバイデン大統領夫人。めぼしいのはマクロン仏大統領ぐらいだが、次期パリ大会を招致している手前、来ざるを得なかったのだろう。理由が何にせよ、ワクチンを打っているのだから来てもよさそうなものだが、やはりアンチ・オリンピックの気持ちを表すために来なかったのかも、などと勘繰りたくなる。
オリンピックという祭典が、ひとつの限界に来ているのかもしれないと感じた開会式だった。