レース当日まで野口みずき本人にも黙っていた アテネ五輪での“大きな賭け”
■ヌデレバの「大きさ」で金を確信
私は車の中でレース中継をテレビで見ていた。野口がリードを保ったまま38キロを過ぎたことを確認し、急いでゴールの競技場へ向かった。30キロでは37秒もあったヌデレバとの差は徐々に縮まる。イライラが募る中、何度も「逃げ切れ、野口」と心の中で叫んだ。
すっかり日が落ちて薄暗い競技場に野口が先頭で入ってきた。次に姿を見せたのはヌデレバだ。スタンドから見たヌデレバの「大きさ」で野口の金メダルを確信した。 (つづく)