著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

30人全員集合の森保ジャパン 米国戦4–2–3–1のトップ下は鎌田大地か久保建英か?

公開日: 更新日:

W杯予選終盤に序列低下を強いられた鎌田に注目

 先に上がった古橋や伊東純也(スタッド・ランス)、久保建英(レアル・ソシエダ)らもいるため、これが米国戦先発メンバーになるのか否かは全くの未知数だ。が、今回は4-2-3-1で挑む可能性が高そうだ。

 となれば、やはり注目は鎌田だろう。最終予選序盤まではレギュラーだった彼だが、昨年10月のサウジアラビア戦(ジェッダ)で苦杯を喫した直後、森保監督が布陣変更に踏み切ったことでトップ下のポジションがなくなり、序列低下を強いられた。

 日本が7大会連続W杯切符を手にした今年3月の豪州戦(シドニー)はまさかの選外。本人は6月4連戦の際、「日本がW杯の出場権を取らないと自分が本大会に行ける可能性もなくなってしまうので、みんなに勝ってほしいと思っていた」と話したが、もちろん悔しさも感じたに違いない。

 ただ、ちょうどその時期、フランクフルトが欧州ELで勝ち進んでおり、バルセロナやウエストハムといった強敵を次々と撃破。最終的にはグラスゴー・レンジャーズを下して欧州王者に輝くに至った。

■トップ下が主戦場の久保は好調維持

 この目覚ましい活躍ぶりを目の当たりにした森保監督も鎌田を再評価。今夏開幕した新シーズンの爆発ぶりを現地で入念に確認した上で「もう一度、トップ下でトライさせたい」と熱望するようになったのだろう。

「トップ下は僕のできるポジションだと思う。でも自分は別のポジションでもある程度、いいクオリティーでできる自信がある。チームとしてもいろいろトライすべきなのかな、と思います」と鎌田本人はどこで起用されても結果を出せると前向きに考えている様子。

 確かに最近の切れ味鋭いパフォーマンスを見ていれば、代表でも大仕事をしてくれるのではないか、という期待は高まるばかりだ。今季フランクフルトでFKから2ゴールを奪っていることも含め、彼の起用法と出来は非常に興味深い部分と言っていい。

 一方、8月14日の新天地デビュー戦・カディス戦でいきなりゴールを奪った好調維持の久保も、トップ下を主戦場としている。

■23日の米国戦はW杯への重要な資金石となる

 2人の序列や役割も大いに気になるところだ。

「自信を持って代表に臨めると言うか、周りからの評価が高い中での合流なので、それが一番嬉しいですね」と久保本人も目を輝かせたほど、今はコンディションに自信と手ごたえをつかんでいる。

 上昇気流に乗っている21歳のアタッカーをベンチに置いておくのは、やはりもったいない。森保監督も最善の使い方を探っているはず。今回は大迫勇也(神戸)、浅野拓磨(ボーフム)の両FWの負傷離脱も踏まえながら、彼らを最大限活用しつつ、W杯で結果を出せる道筋を見出してほしい。

 重要な試金石となる米国戦まであと3日。欧州の日本人町とも言われるデュッセルドルフでの調整はさらに続いていく。

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