腟トリコモナス症<1>男性は99%無症状も前立腺がんリスク
一方、男性では原虫は主に「前立腺」や「精嚢(せいのう=前立腺の後ろにある袋状の器官)」にすみ着く。
「男性では尿道から原虫が侵入しても、排尿で洗い流されてしまうので尿道にすみ着くことができません。それでも尿道から上行して、たどり着いた原虫は、前立腺や精嚢にすみ着くのです。感染すると無症状でも、検査で前立腺炎を有していることが多い。放置すると前立腺がんの発症に関与するといわれます。女性も放置すると不妊症や早産、流産を招く原因になります」
治療はパートナーと一緒に受け、抗トリコモナス薬の内服や腟錠を10~14日間使う。再発も少なくないので、治療後10日以上経ってから治癒確認検査をした方がいい。再発の経過は、原虫の残存によるもの、隣接臓器からの自己感染、パートナーからの再感染がある。
また、原虫は乾燥に非常に弱いが、水分があると、しぶとく生き残る。性行為だけでなく、濡れた下着やタオル、便器、浴槽などを介して感染する可能性はあるという。