勝率5%の勝負なら「勝てる!」 松井理悦さん白血病と闘う
当然、後者を選ぶしかありません。5%なんて関係ない。自分にとってはゼロか100の感覚です。勝率5%の勝負ぐらいならこれまで何度も勝ってきたので、「勝てる!」と思いました。
■3カ月で体重が61キロから32キロに激減
再び新しい白血球の容赦ない“攻撃”にあい、ものすごく苦しい思いをしました。何も食べられず、3カ月間は点滴とゼリーだけ。体重は61キロから32キロに激減しました。ただ、そのGVHD(新しい白血球と従来の細胞との闘い)は苦しいほど生着しやすくなると言われたので、それを頼りに耐え抜きました。
3カ月と言われた入院は、結局1年1カ月に及びました。頭痛、吐き気はもとより、膀胱炎、帯状疱疹2回、肺炎3回、白内障などなど、いくつも病気になりました。一番ひどかったのは下痢で、寝たまましてしまうので何枚もパンツを捨てました。
入院中も、もちろん仕事はしていました。スタッフの給与計算、支払い、業者との連絡、銀行との交渉など、病室に大量の書類やパソコン、郵便物などを持ち込んでいたので、看護師長さんからは「荷物が多すぎる」と常に注意を受けていました。食欲が出てから勝手に出前をとったときは、逆鱗に触れてしまいましたね(笑い)。