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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

医師の「とりあえず様子を見ましょう」に納得してはいけない

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 血圧は、どれくらいまで下げるべきか? 前回取り上げたテーマです。

 2019年に5年ぶりに改定された高血圧治療ガイドラインでは、高血圧の診断基準はこれまでと変わらない140/90㎜Hg(診察室血圧)。今まで「正常高値血圧」とみなされてきた130~139/85~89㎜Hgは「高値血圧」となり、拡張期血圧(下の血圧)は5㎜Hg引き下げられ、80~89㎜Hgとなりました。

 また、これまでは、高血圧患者だけが降圧薬治療の対象でしたが、高値血圧に対しても、生活習慣指導で十分に血圧が下がらない場合は、薬での治療が推奨されるようになりました。

 大幅に引き下げられたのは、「目標値」です。75歳未満の場合、140/90㎜Hg未満から収縮期・拡張期血圧がともに10㎜Hg低い130/80㎜Hg未満へ、75歳以上の後期高齢者では150/90㎜Hgから140/90㎜Hgへと変わりました。

 しかし、みなさんはそもそも、ご自身の血圧を把握しているでしょうか? 古いデータになりますが、「NIPPON DATA 2010」などの調査によると、日本の高血圧病者数4300万人のうち、57%しか治療を受けておらず、治療を受けている患者の50%しか基準血圧(当時)の140/90㎜Hg未満にコントロールされていない。

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