史上初女子やり投げ銅の北口榛花 チェコ人指導者に出会い即弟子入り宣言、単独渡欧した活力
「入賞を目標にしてたので、急にメダルを欲しがってもくれないよなって試合をしてたんですけど…。一番は輝いてないメダルですけど、メダルを取れて嬉しいです」
号泣しながらこう喜びを語ったのが女子やり投げ日本代表の北口榛花(24)だ。
日本時間の23日に米オレゴン州で行われた世界選手権やり投げ決勝。北口は暫定5位で迎えた第6投で63.27メートルを記録し、暫定2位に浮上。残すところ4人。この時点で表彰台は当落線上だったが、納得のいく投てきだったのだろう。思わず観客席へ駆け寄り、外国人男性と熱い抱擁を交わした。
相手は2018年から師事するチェコ人のコーチ、デビット・セケラック氏。出会いは同年11月にフィンランドで行われたやり投げの国際講習会に、当時、大学3年生だった北口が参加したときにさかのぼる。父親の幸平さんは以前、日刊ゲンダイにこう話していた。
「ジュニア世代の指導者であるセケラック氏が声を掛けてくれたそうです。榛花は15年のユース世界選手権で優勝していたので、『君のこと知っているよ』と。ちょうどその頃、榛花が通っていた日本大学は指導者が不在だった。その環境では限界がある。チャンスとばかりに(その場で)『あなたに教わりたい』と頼み、その3カ月後、春休みを利用してチェコに飛んだのです」