女性は更年期以降に血糖値とコレステロール値が高くなる
女性で血糖値、血圧、コレステロールの数値がこれまで良好に保たれていた人も、45~55歳の更年期以降は数値が高くなりやすいので注意が必要です。
女性が、ある時期まで生活習慣病の発症が少ないのは、女性ホルモンの働きによるところも大きいです。
女性ホルモンであるエストロゲンには、血管内皮細胞で一酸化窒素を産生し、血管を柔軟にして拡張させる作用があります。血管の圧力が低下するので、血圧も下がります。また、エストロゲンは脂肪の燃焼を促す働きもあります。
ところが更年期に入ると、エストロゲンの分泌が急激に減少するため、血管の柔軟性がなくなり血圧が上がります。
脂肪がつきやすくなり、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が増加し、HDL(善玉)コレステロールが減少します。
これらはいずれも動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
ですから女性の皆さんは、更年期付近から、特に血圧、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の数値の変化に気を配って欲しい。年1回、健康診断を受けていればまだいいのですが、自営業や専業主婦の方などでは、長らく健診を受けていないという方もいます。血圧は家庭用血圧計で測定できますし、住んでいる市町村で行っている健診を受けるという手もあります。