“ポスト錦織圭”の日本離れが始まった…楽天OPの寂しい顔ぶれ、囁かれる日本テニスの危機
中国がコロナ対策で大会を閉じている影響もあるが、ダニエル太郎はこんな印象を語る。
「昔は、ぼくぐらいの選手にもスポンサーがついて日本選手は恵まれていると思っていた。いまは変わりました。ヨーロッパにいれば、家から片道2時間、最大でも4時間の距離に大会がある。こうした環境なら地元でいい選手と練習でき、そんな選手に囲まれていればテニス哲学も変わる。スペインやイタリアから選手が出て当然でしょう」
ダニエルは10代前半にスペインに渡ってダビド・フェレールとも練習、そのフェレールはいまズべレフ(5位)のコーチ……言葉に符合する流れだ。
■日本に「地の利」なく、経済力も鈍る
そもそも極東に位置する日本に、世界ツアーを展開するテニスの「地の利」はない。その不利を補ったのがメーカー立国としての突出した経済力だったが、今世紀の急速なグローバル化で魔力は鈍ってきたようだ。救世主として出現した錦織は間もなく33歳──楽天会場でも(日本のテニスは危ない)という囁きを耳にした。