(2)W杯後の報告書に書いた“サッカーの本質”の再徹底…攻守両面でハードワークできる選手を増やすべき
「全てマルチにやらなきゃいけない時代に入ったと思います。『おまえは卓越した攻撃力があるから、守備はここまででいい』といった状況が育成年代にあるとしたら、それは改善する必要があると思います。その上でアタッカーで言えば、チャンスメークとゴールゲットの両方できる選手がジーニアス(天才)と呼ばれる。(パリSGに所属する)メッシ、ネイマール、エムバペたちはそう。彼らの質の高さはすでに世界中に広く知られていた。逆に言えば、新たな驚きは少なかったということになりますね」
──以前はW杯でブレークする選手がいました。
「たとえば、2014年ブラジルW杯で言うとコロンビアのハメス・ロドリゲス(オリンピアコス)はノーマークに近い存在ながら頭角を現した。その後、トヨタのCMにも出てましたよね(笑)。今大会はそういう存在がいなくて、むしろ、汗かき役のフランスのチュアメニ(R・マドリード)、モロッコのアムラバト(フィオレンティーナ)のようなタイプが目立った。日本も、攻守両面でハードワークできる選手を増やしていくべきでしょう」